研究概要 |
FRP中の強化繊維を硬度の高いアルミナ繊維等に替えて研磨用あるいは除去用工具としての有用性について調べるため本研究は行われた. HS95程度に焼入れされた機械構造用炭素鋼を,NCフライス盤のテーブルに据付けられた卓上旋盤に取り付け,板状FRP工具で加工痕を錯綜させて研磨したところ,最大高さ粗さはおよそ1μmほどになった.更に工具を丸棒状FRP工具に変えて,FRP工具自体も回転させながら研磨したところ,アルミナ繊維径10μmのSR工具で研磨速度5000rpm,負荷荷重49Nで0.5μmの粗さが得られた.また,研磨速度が5000rpm以上であれば,負荷荷重が9.8Nと小さくても,あるいは負荷荷重が29.4Nとやや大きければ,研磨速度が440rpmと小さくても1μm程度の粗さが得られた. FRP工具の結合材であるプラスチックスを結合力の小さいゴムに替えたFRR工具を用いて,鋼板に焼付け塗装された塗装の除去実験を行った所,繊維径30μmのSBu工具で研磨速度100m/min,押し付け力3MPaの高い研磨条件では地肌を傷めずに塗装が除去できた.また,金属材料の表面に生成された錆の除去実験を行った所,銅板に生成されたCu_2Oは除去できたが,CuOは除去できなかった.鋼板に生成されたFeOはある程度除去できた. 以上の実験結果より,FRP工具あるいはFRR工具は研磨用工具あるいは塗装や錆の除去用工具として有用であることが判った.
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