研究概要 |
今年度の研究では,単位4元数を用いて定義される,美しさを追求した新しい自由曲面:単位4元数積分(QI)曲面の定義法の改良を行った.これまでのBezier曲面やB-splien曲面といったパラメトリック曲面では,位置を制御点で指定しそれらを混ぜ合わせることにより曲面を定義したが,QI曲面では,接線ベクトルを混ぜ合わせて曲面を定義することを考え,まず,曲面の境界線となる1本の曲線を接線ベクトルを用いて定義する.さらに,境界線上の点を始点とする等パラメータ線の接線ベクトルを曲面上のすべての位置で指定する.接線ベクトルの指定には単位4元数曲線を用いる.一般的な単位4元数積分曲面の定義とともに,その特殊な場合であるBezier形式のQI曲面の定義とそれを用いた点群の内挿方法について考案した. 美しい曲線・曲面の生成はCGや工業デザインなど様々な分野で重要である.これらの分野において,頻繁に用いられる最も重要な曲面の一つは回転体である.球面や円柱,円錐,あるいは壺に代表されるような自由曲線を母線として生成される純粋な回転体と共に,それらを変形した航空機の胴体部のようなより複雑な曲面が工業製品の外形として用いられている.単位4元数積分(QI)曲面は接線ベクトルにより定義され,BezierやNURBSなど従来の自由曲面よりも,曲率や曲率の変化率をより直線的に操作できる.本年度の研究では,QI曲面に基づいた回転体の表現法を開発し,接線方向を変化させたり,積分長を変更することによってそれらを変形する手法を考案した.
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