研究概要 |
曲率や曲率変化率は曲線や曲面の滑らかさや美しさ(fairness)を決定する本質的な要因である.しかしながら,これまでの変形手法はこれらの特性を直接的に,かつ会話的に操作する手段を設計者やデザイナに提供していない.そこで,本研究では微分ベクトルをスケーリングすることにより曲率を任意の値に変える変形法(fine tuning法)を提案する.提案する変形法は曲率を任意の値に会話的に変更することができ,また必要とされる連続性を保ちながら曲率を滑らかに徐々に変化させるので,変形前の曲率プロファイルや曲率分布の極値の数や位置などの定性的な性質を保つことができる.その他の利点としては,(1)歪エネルギの最小化などの大局的な美しさの評価基準(fairness metrics)による生成/変形法と異なり,局所的な変形が可能であり曲線や曲面のある特定の部分のみを変形することができる; (2)FFD(free-form deformation)などの空間の変形による手法と異なり,特定の部分の曲率を特定の値に変更する精細な変形が可能である; (3)BezierやNURBSを含む様々なパラメトリック曲線・曲面に適用可能である; 等が挙げられる.
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