研究概要 |
使用環境が極めて厳しい真空中で用いられる機械要素においては,固体潤滑剤を中心とした種々の表面改質処理の適用が検討される.しかし,使用条件に応じてどの表面改質処理を適用すべきであるかに関して明確な基準はない.本研究では,改質表面の真空・高温環境下でのトライボロジー特性,運転性能に関して数値解析を含めた総合的な実験・解析を行い,実用化すべき表面改質設計法を提案することを目的とする. 本年度は,無潤滑大気圧下,ならびに10^<-4>Paかつ1000Kまでの高温・真空中で,高機能改質表面のトライボロジー特性および性能評価を,その表面損傷との関連において調べた.これらの実験には,テフロンライナ,ソリッドフィルム,ポリイミド系複合材,カーボン系複合材を中心とした高機能表面改質材を用いたが,本年度は,高機能改質材の基礎的なトライボロジー特性を明らかにすることに主眼をおいて改質材の設計とその特性の把握を主に実施し,平成11年度以降の評価解析および実験のための基礎的データを得た.また,実験と平行して,トライボロジー特性に大きく影響する試験片表面トポグラフの変化を,レーザー顕微鏡および表面粗さ計を用いて3次元的に測定および解析するための表面トポグラフ解析プログラムの開発をおこなうとともに,表面改質材の接触応力解析ならびに熱応力解析を実施した.これらの解析結果は,平成11年度に行なう実験の評価に用いられる.
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