研究課題/領域番号 |
10650157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
早瀬 敏幸 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (30135313)
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研究分担者 |
林 叡 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (10021982)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 実験数値流体力学 / 流れ場のオブザーバー / 流れ場のフィードバック制御 / 流れ場の解析手法 / スーパーコンピュータ / 乱流制御 / カルマン渦 / コラプシブルチューブ |
研究概要 |
流れの解析手法としては、数値計算と実験計測が代表的であるが、数値計算では流れ場全体の構造が理解できる利点を持つものの、計算結果が数学モデルに依存するため解の精度の評価が困難で、また、工学的に重要な複雑な流れ場の解析には、現在の最高性能の計算機を用いても十分とは言い難いなどの欠点がある。一方、実験計測では解の精度の評価は比較的容易であるが、流れ場全体の情報を得ることは困難である。このため、数値計算と実験計測を融合した新しい流れ場の解析手法を創生し、これまで解析が困難であった複雑な流れ場の解析を可能とするための研究を行った。 制御工学においてシステムの数学モデルと測定データから制御対象の状態量をリアルタイムに求めるオブザーバの概念を、流れの数値解析に応用することにより流れ場のオブザーバを構成した。すなわち、実験により得られた測定データと数値計算結果の差異を数値計算の境界条件あるいは外力項にフィードバックすることにより、数値計算結果を実際の流れ場に漸近的に収束させる。この流れ場のオブザーバの有効性を数値解析により検証するとともに、乱流場のフィードバック制御への応用について検討した。また、基礎となる数値解析手法の格子収束性の検討や、弾性管路と流れ場が相互干渉する複雑な流れ場への応用のための基礎的検討も行った。 これらの検討の結果得られた知見は、生体内や化学反応を伴う流れなど、正確な数学モデルが存在せず実験も困難な流れ場に対して新たな解析手法を構築する際の設計指針を与えるものと期待される。
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