| 研究概要 |
本年度の研究は,管径及び表面張力による影響も含め,流動様式線図の作製及びボイド率と圧力損失に関する相関式の提案などを中心に行った.
1. 流動様式線図の作製
内径が2mm及び5mmの透明なガラス管でできた管路に,等密度で表面張力の異なる二種類のシリコン油と水を流し,それぞれの流量の組み合わせによって生じる挙動を高速度ビデオカメラ及び流し撮りカメラ法により撮影し,画像処理を行うことによりフローパターンに分類し.流動様式線図を作製した.得られた結果から,今研究では.流れは油が管中心側,水が管壁側を流れる流動様式が観察され,また,プラグ流が多く観察された.さらに,水に粒子を混入して行った可視化実験から,水スラグ内の循環流の存在も確認された.
2. ボイド率と圧力損失に関する相関式の提案
定電流装置によってボイド率,微差圧計によって圧力損失を,管径及び物性値の異なる条件でそれぞれ測定し,データの整理を行った.得られた結果から,ボイド率は,使用した流体の物性値がほぼ同じ,本研究の場合よりも管径の大きな場合と同様の傾向を示し,従来の相関式が使用できることが明らかにし,一方,圧力損失に関しては,これまでの気液二相流に対する式が適用できないことを明らかにした.この圧力損失の予測モデルに関しては,液・液系二相流に対しても適用可能なモデルが現在得られつつあり,近日中に公表の予定である.また,ボイド率及び圧力損失の時間変動データの統計処理により,ボイド率の時間変動データは,特徴的な尖度-歪度の関係を持つことも判明した.
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