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1999 年度 実績報告書

安定成層下における乱流微細構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10650180
研究機関高知大学

研究代表者

佐々 浩司  高知大学, 理学部, 助教授 (50263968)

キーワード安定成層 / 高レイノルズ数乱流 / 乱流普遍構造 / デジタル温度流速計 / フルード数 / 熱輸送 / 微細渦 / 多チャンネル計測
研究概要

温度流速計の温度補償演算部をDSPに置き換えるデジタル化を試み、温度計の位相補償を含まない状態で検定した結果、(1)速度計、温度計ともにS/N比は60dB以上であった。(2)周波数応答特性は、速度計がDC〜10kHz、温度計がDC〜200Hz程度であった。なお、この時の較正時間は従来のアナログ式の1/10程度に著しく短縮された。
また、本研究室既設の小型気象風洞中に実現した直線状の安定成層(温度勾配30K/m)をなした強い乱流場(乱流レイノルズ数約300)の統計的特性を温度流速計を用いて調べた結果、以下のことが明らかになった。
(1)擾乱フルード数は強安定の臨界値である1の数倍、乱流リチャードソン数は臨界値の1/10と、いずれも弱安定な場を示しているにもかかわらず、浮力による鉛直変動の抑制が明確に認められた。
(2)浮力による抑制効果は従来の格子乱流場に比べて早く現れた。
(3)温度変動の確率密度分布は温度場が混合層的な特徴を有することを示していたが、慣性小領域以上の高波数のみフィルタリングした微細な変動については普遍的乱流構造を示す間欠分布が得られた。
(4)一次元速度スペクトルのKolmogorov普遍定数は従来の結果を支持する0.5であったが、温度スペクトルの普遍定数はパッシブスカラ場の値よりも大きくなった。
(5)熱流束コスペクトルのピークは、分子拡散の影響を受けやすい格子乱流場のものよりはるかに大規模な慣性小領域低波数側にあり、乱流本来の慣性運動による熱拡散を詳細に調べられる場が初めて得られた。
さらに、多線格子型プローブを用いた高レイノルズ数一様乱流中の微細渦測定の結果、微細渦に関連する渦度成分は慣性小領域中程まで明確な構造性を有するが、散逸に関連する速度微分は高波数のみに顕著な構造が見られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 佐々浩司,松永修二: "多線プロープによる乱流微細渦の検出"京都大学数理解析研究所講究録. 1121. 47-54 (2000)

  • [文献書誌] 佐々浩司,松永修二,蒔田秀治: "普遍構造解明のための安定成層乱流の実現"九州大学応用力学研究所研究集会報告. 全6 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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