研究課題/領域番号 |
10650183
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
石田 正弘 長崎大学, 工学部, 教授 (60039683)
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研究分担者 |
植木 弘信 長崎大学, 工学部, 助教授 (30160154)
坂口 大作 長崎大学, 工学部, 教授 (70244035)
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キーワード | 遠心送風機 / 低流量域不安定流動 / 三次元剥離 / ディフューザ失速 / インデューサ失速 / ストールマージン改善 / 壁面粗さ制御 / 人工循環流形成 |
研究概要 |
遠心式の送風機や圧縮機では、低流量域で不安定流動現象すなわち旋回失速およびサージが発生するため、性能の低下を許容して不安定流動を回避しつつ安全な運転領域で使用されているが、研究代表者らは、低流量域で生じる旋回失速は、径向き羽根・羽根車の場合はインデューサ失速が、後傾羽根・羽根車の場合はディフューザ失速が発生原因であると推定して、3次元はく離制御の観点から不安定流動の抑制を試みた。平成10年度の研究で得られた結果は以下の通りである。 (1) 羽根なしディフューザ壁面摩擦係数の増加によって、ディフューザ入口部分では境界層が薄いため摩擦損失が増加するが、三次元剥離を抑制する効果が顕著であることを三次元境界層の理論解析によって明らかにした。一方、後傾羽根遠心送風機の羽根なしディフューザにおいて、羽根車出口下流の半径比が1.2から1.6のハブ側壁面のみを局所的に完全粗面化することによって、段静圧上昇の悪化を1%以下に押さえて、ストールマージンを約30%改善できることを実験的に明らかにした。 (2) 径向き羽根を有する遠心送風機において、羽根車のインデューザ喉部シュラウド壁に環状溝を設けて、喉部の流体を羽根車上流へ導き、循環流を形成することによって、ストールマージンを約8%改善できることを実験的に明らかにした。一方、3次元乱流粘性解析により入口循環流形成の効果をシュミレートした結果と実験結果の対比から、循環流による羽根先端部の入射角減少効果、および羽根前剥離流体の喉部吸出し効果がストールマージン改善の要因であることを明らかにした。
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