研究課題/領域番号 |
10650186
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
有賀 一郎 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40051172)
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研究分担者 |
小山 正晴 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (80083947)
佐野 正利 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20117708)
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キーワード | 遠心圧縮機 / 遠心羽根なしディフューザ / 旋回失速 / スクロール / Prestall / Particle Image Velocimetry |
研究概要 |
旋回失速抑制のための能動制御を行う場合、旋回失速の発生条件、場所およびその構造が特定できれば、発生場所に処置を施すことでその発生を遅らせることができる。現在までに得られている旋回失速に関する知見は、低流量においてある周波数の振動が開始する、失速セルが条件によって1〜3個存在する等が明らかにされているが、セル構造や旋回失速に至るメカニズムについて詳しい知見は得られていない。 実験はディフューザ下流条件を変えて行った。ディフューザ下流条件は、スクロールが有る(周方向非一様)場合と、スクロールが無い(周方向一様)場合である。 スクロール有の場合、舌部付近の流れが旋回失速開始の引き金になるのではとの予測から舌部付近の壁面静圧測定(半導体圧力変換器)を行ったが、旋回失速開始につながると思われるはっきりとした知見は得られなかった。 スクロール無しの場合については、旋回失速の発生原因、構造及び発達過程等について壁面静圧測定、流速測定(熱線流速計)及びPIV(Particle Image Velocimetry)を使って調べた。その結果、旋回失速の原因と考えられているディフューザ出口から発達する逆流をPIVにより捉えることができた。PIVにより逆流が観察された流量は、圧力、流速信号の周波数解析及びそれぞれの信号の標準偏差の変化から得られた、旋回失速が始まると思われる流量とほぼ一致した。取り込んだ映像を解析した結果、ある周期を持って逆流が現れていることがわかったが、圧力信号の周波数解析の結果得られた旋回失速であろうと推測される周波数約5Hzを確かめる、また、セル数を確定するまでに至っていない。 旋回失速は低流量域でのディフューザ出口における逆流がその発生原因であるということを、可視化という手法で明らかにすることが出来たが、しかし旋回失速が発達していくメカニズムを明らかにできなかった。
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