研究概要 |
本科学研究経費補助金は追加で採択されたものであり,その決定は本年度後半になってなされた.このため,平成10年度は,水蒸気ー水系である実際の条件の代わりに,大気圧下における空気ー水系を用いて,管内壁面上を流下する液膜が,同じく管内に形成された水平液面上に突入する際に巻き込む気体エントレインメントの特性を調査するための実験装置設計およびその一部の製作を重点的に行った. なお,来年度および平成12年度については,主に基礎的部分に重点を置いた次の実験準備および実験を行う予定である. 1. 垂直管内壁面を流下する液膜によって,気ほうが巻き込まれる様子が観察でき,かつ液中に存在する気ほう群の長さが測定できるように,アクリル樹脂で実験装置を引き続き製作する. 2, 実機での設計運転条件を勘案した垂直管の内径(φ=25mm),流下液膜の流入開始から衝突する液面までの長さ(50〜1500mm)および液膜の流量(0.1〜0.3m^3/h)など,巻き込む気体エントレインメント流量に密接に関係すると考えられる諸パラメータについて,衝突液面の下流側に形成される気ほう群の長さあるいは液とともに随伴される気ほう量の測定を行い,気ほうが熱交換器に流入する可能性がある条件およびその量を明らかにする予定である.
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