研究概要 |
平成13年度は,昨年度に引き続き,水蒸気-水系である実際の条件の代わりに,大気圧下における空気-水系を用いた実験を行った.本年度は,実機での設計運転条件を勘案した垂直管の内径(φ=21,28,42mmの3種類),流下液膜の流入開始から衝突する液面までの長さ(50〜1500mm)および一昨年行った液膜突入液面下に形成される気体エントレインメント群の長さを測定した液膜の流量より多い流量(0.45〜2.6m^3/h)など,巻き込まれる気体エントレインメント流量に大きく関係すると考えられる諸パラメータについて,巻き込まれる気ほう流量の測定を行い,気ほうが熱交換器に流入する可能性を検討した. これまでに,液膜の流入口から流下方向への平均液膜厚さの測定結果から,液膜の流入口から突入液面までの長さLと液膜突入液面下に形成される気体エントレインメント群の長さL_Bとの関係が明らかとなっている.それらと密接に関連する本年度行った気体エントレインメント流量の測定結果から,次のような知見が得られた. 1.液膜流量の増加によって,気体エントレインメント流量は増大する. 2.気体エントレインメント流量すなわち気泡巻き込み量Q_Bは,液膜流量が比較的小さい場合には,Lが長くなるとQ_Bは増大するが,ある位置で極大値をとって減少し,さらに長くすると,再び増大する傾向を示す. 3.前項で述べたQ_Bの特性は,これまでの研究で得られた気体エントレインメントが搬送されない場合の液面下に形成される気泡群の長さの特性と酷似しており,Q_Bに対しても,液膜の平均流下速度が増大することによる場合と波高が高くなった自然波による場合の二つの要因があることがわかった.
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