研究課題/領域番号 |
10650194
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近久 武美 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00155300)
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研究分担者 |
菊田 和重 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (90214741)
望月 修 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50157830)
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キーワード | 混合 / 撹乱流 / 拡散 / 燃焼 / すす / 乱流スケール / 噴霧 |
研究概要 |
ディーゼル燃焼に代表される高速拡散燃焼では燃料塊と周囲空気との混合制御が極めて重要であり、本研究では急速混合に有効な両者の相互スケール関係について解明することを目的として、定容燃焼器および実機内における火炎映像やすす濃度分布の可視化計測を行った。また、火炎輝度およびすす濃度の不均一性解析や離散渦法による混合拡散現象の記述のほか、実機内の撹乱流強度とすす低減特性との関係について解析を行った。 まず、混合拡散状態の定量解析法として、統計力学的なエントロピー解析法を提案し、噴霧映像の解析を行った。その結果、噴霧の拡散状態に対応したエントロピー値の変化が認められ、今後の有用な手法となり得ることが確認できた。また、定容燃焼装置を用いて噴流衝突を受ける噴霧火炎中の黒煙消滅過程を解析した結果、撹乱流の衝突により黒煙の酸化が顕著に促進される様子が、直接火炎撮影および背景散乱光法による黒煙粒子の撮影で確認できた。この際、主噴霧と衝突噴流の相対距離が近すぎる場合には、噴流が単に黒煙塊を突き抜けてしまい、燃焼促進効果は少ないことが明らかとなった。また、離散渦法を用いて上記現象に対する数値シミュレーションを行ったところ、観察結果と同様な現象を再現することができ、最適噴流衝突条件について知見を得ることができた。 一方、実機を用いて噴流衝突による急速混合過程の最適条件について、撹乱流の運動量に着目し検討を行った。解析の結果、すす低減に強い相関を示す無次元混合パラメータを明らかにすることができ、これにより黒煙低減に有効な撹乱流の形成時期ならびに最適噴出口径を明らかにすることができた。
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