研究概要 |
地球サミットから5年,「持続可能な発展」に向けて地球環境対策技術は最重要課題であり,特に,温暖化防止対策のためのCO2排出抑制技術が緊急の課題となっている。今こそ,ステップワイズでありかつ環境調和型の新しい技術が求められている。 本研究は,以上の背景のもと凝縮性気体のミスト化と溶液効果を利用した高効率ガス吸収の促進法の開発を目的とする。具体的には,CO2を含む高温排泄ガスとK2CO3の微細結晶粒子を懸濁した低温空気との混合により,気流中でのK2CO3水溶液のミストを生成させガス吸収速度を向上する新たな吸収法を提案するものであり,実験的・理論的追及により有効性ならびにその促進機構を解明し,実用化のための基礎資料を提供しようとするものである。 研究初年度としては,主に実験的に本手法の有効性について検討を行った。CO2ガス吸収の現状・問題点について,他の対策技術を含めた排出抑制対策技術の調査把握のもと,空気圧縮機,加熱加湿器,フィーダー,断熱混合容器等からなる実験装置を設計製作し,供給ガスの流量・温度・湿度およびガス濃度,さらに微結晶粒子の供給量を種々変化させて凝縮・吸収実験を行い,ミスト発生の条件,発生ミスト滴へのガス吸収速度とイオン濃度などのミストの発生とガス吸収について溶液効果を含めて基礎データを得るとともに,本手法のガス吸収への凝縮液膜およびミスト化の有効性を明らかにした。
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