研究課題/領域番号 |
10650220
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
長田 孝志 琉球大学, 工学部, 教授 (70045186)
|
研究分担者 |
工藤 鴻基 (株)トップエコロジー, 社長(研究職)
儀間 悟 琉球大学, 工学部, 助手 (60274883)
野底 武浩 琉球大学, 工学部, 助教授 (80183903)
|
キーワード | 海水淡水化 / 太陽熱 / 蒸留 / 多重効用 / 熱・物質移動 |
研究概要 |
Basin型と多重効用型を組み合わせた複合型の新しい太陽熱海水淡水化装置について、熱・物質移動のモデル計算を行うとともに、実機レベルの装置を製作し、性能試験を行った。本計算モデルは、従来のBasin型についてのモデルと多重効用型についてのものを組み合わせた上に改良を加えて、多様なパラメーター計算を可能にすると共に、予測精度を高めたものである,このモデルを用いた計算により、装置の最適形状および多重効用部への海水供給量の最適値を見出した。また、Basin部の海水量および多重効用部内の仕切り板間隔等の種々のパラメーターへの蒸留量の依存性を明らかにした。本複合型は、従来のBasin型の約3倍、従来の下方加熱方式の約2倍の高い蒸留性能を有することを明らかにした。 性能試験は、沖縄本島南部のアージ島において海からの海水を直接用いて行ったものと、琉球大学のキャンパス内で改良を加えた装置を用いて行ったものの両方で行った。これらの性能試験より、多重効用部を鉛直に設置することによって製作およびメンテナンスが容易になること、仕切り板間隔を10mm以下にすることが出来、その結果蒸留量が大幅に増大することが明らかになった。また、装置の断熱が蒸留量に強く影響するため、装置の強度を保つと共に断熱を保持する構造を考案し、その効果を実証した。Basin部の海水深さを10mm以下にする工夫、およびより多くの太陽光を直接多重効用部に当てる工夫などを行い、蒸留量を著しく増大させた。性能試験においても、本複合型は、従来のBasin型の約2倍以上、下方加熱方式多重効用型の約1.5倍以上の高い蒸留性能を有することを実証した。
|