研究概要 |
本研究はEdge Flameを有する拡散火炎の安定機構を独自のバーナを用いて実験的に検討している.バーナは上方に円形ノズル,下方に衝突平板を設け軸対称衝突噴流場を形成する.その衝突平板に多孔質板を埋め込み,燃料を噴出することで対向流拡散火炎を形成する.このとき多孔質板に金属円板を埋め込み燃料の噴出を禁じることで,対向流拡散火炎にHole(火炎の無い領域)を形成させEdge Flameを有した拡散火炎として形成する.そして,その金属円板直径を変化させHoleの大きさを変えEgde Flameを衝突噴流場のよどみ流領域または壁噴流領域に形成させ,各々の火炎特性について個別に検討した. 1. よどみ流領域にEdge Flameが形成される場合 安定限界の測定結果からEdge Flameを有する拡散火炎も純拡散火炎と同様,いくら燃料噴出速度を増加させても火炎を維持できない臨界よどみ速度勾配が存在し,その値はHoleの直径の増加とともに減少することが分かった.火炎位置とトモグラフイー法による温度境界層の可視化の結果から,Holeが大きくなりEdge Flameが形成されてゆくにつれ火炎が衝突平板へ近づき固体壁面への熱損失が増加すること,Edge Flame相互の温度境界層のOverlappingが減少することが分かった.臨界よどみ速度勾配の減少はそれらに基づく火炎温度の低下に起因すると考えられる.熱電対を用いた温度測定の結果も,HoleができEdge Flameが形成されてゆくにつれ火炎温度が低下することを示した. 2. 壁噴流領域にEdge Flameが形成される場合 減速流となる軸対称壁噴流領域ではEdge FlameがTriple Flameとして安定に形成できる・安定に形成されるTriple Flameの位置測定の結果から,固体壁面の影響を受けたTriple Flame,また,壁面の影響を受けないTriple Flemeの二種のTriple Flameが本実験装置では存在することが分かった.
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