研究概要 |
本研究は拡散火炎の安定性を支配するEdge Flameの火炎特性を独自のバーナを用いて実験的に検討している.バーナは円形ノズル,衝突平板から成り,衝突平板に多孔質板を埋め込み燃料を噴出する事で火炎を形成する.多孔質板中央には金属円板を埋め込み燃料の噴出を一部止めることで,対向流拡散火炎にHoleを形成し,Edge Flameを有した拡散火災として形成する.その金属円板直径を,ノズル直径を基準に小さくまたは大きくすることで,Holeの大きさを変えEdge Flameを衝突噴流場のよどみ流領域または壁噴流領域に形成することができる.各々の火炎の特徴として,よどみ流領域ではいかにしても火炎が形成できない消炎限界の臨界値を生じる.他方,壁噴流領域では消炎過程においてEdge FlameからTriple Flameへの遷移が生じることが明らかになった. 平成11年度はPIVを用いて流れ場の測定を行った. 得られた結果として,よどみ流領域及び壁噴流領域共に火炎が形成されても,Edge Flame近傍及びその上流には,再循環流の様な流れの剥離は形成されていないことがわかった. また,よどみ流に火災が形成される場合,流れは火炎のごく近傍まで火炎の存在による影響を受けず,一般的な対向流拡散火炎と同様,よどみ速度匂配によって流れ場が支配されている.他方,壁噴流領域で火炎が形成された場合,流れ場全体は火炎の存在によって生じる浮力の影響を受け変形する.また,火炎先端がEdge FlameからTriple Flameへと変化するにともない,火炎先端上流の流れが発散することが明らかとなった.
|