| 研究概要 |
本年度は,CO2と軽油成分であるノルマルトリデカンの溶解・混合燃料に関して以下の解析及び実験を行った.
(1) 化学熱力学的二成分溶液理論を用いて,低沸点成分(通常は気体)のC02と高沸点成分のトリデカンの混合溶液の二相領域を定量的に解析し,各圧力,温度場への混合燃料の噴射時の減圧沸騰の可能性を明らかにした.
(2) 光学セル容器を用いて,内部に充填した混合燃料の減圧時の沸騰挙動を透過光撮影により連続的に観察した.その結果,減圧が二相領域の飽和液腺を横切る圧力時に沸騰が開始される状況が確認された.
(3) 高圧容器内で,高圧・室温の状況下で,混合燃料を定常噴射,および非定常噴射し,その噴霧の分散特性の雰囲気圧力とCO2モル分率の影響度を定量的に評価した.その結果,圧力の減少とモル分率の増加により噴霧微粒化が減圧沸騰効果により改善されることが明らかとなった.
(4) 高圧容器内で,高圧・高温の状況下で,混合燃料を非定常噴射し,実機関に近い条件下での噴霧の微粒化と蒸気化の改善効果を調べた.その結果,高温で高モル分率の条件で,噴霧外周域にCO2の選択的沸騰と考えられる蒸気領域が確認された.また,CO2の混合により,噴霧中の燃料液滴が微細化し,かつ粒径分布が均一化されることがわかった.
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