本研究では、レーザ流速計と静電探針の同時計測により、reaction-sheet regimeの乱流予混合火炎における乱れの増幅作用を解明することを目的としている。 乱流火炎帯における局所的なガス流速はレーザ流速計により、火炎面の挙動は三つの受感部を有する静電探針により計測することができ、これらを組み合わせて使用することにより、火炎面の前後で局所的なガス流速が変化するようすを計測することが可能となる。さらに、速度変動のパワースペクトル密度関数を調べることにより、火炎面の前後で乱れが変化するようすを明らかにすることができる。 その結果、(1)火炎面における発熱による熱膨張のために、燃焼ガス流中の乱れは、approach flow中と比べると、火炎面の変動周波数と同じ周波数領域の運動エネルギが増加し、それよりも高周波数領域の運動エネルギが減少すること、(2)局所的なガス流速は火炎面に垂直方向に増加するために、approach flow中ではほぼ等方性の乱れが燃焼ガス流中では非等方性の乱れになること、さらに、(3)このようすは乱流火炎帯の場所によって異なること、などを明らかにした。
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