研究概要 |
永久磁石の運動制御による懸垂形磁気浮上自走機構の研究として,3自由度の永久磁石を用いた磁気浮上機構を製作し,その浮上と搬送を行う研究を行った.研究の概要は以下の通りである. 3自由度の浮上機構を製作した.アクチュエータとしてピエゾ素子の運動をてこの原理で拡大するようなものを用いた.このアクチュエータを3つ用いて正3角形を構成し,浮上体の鉛直方向の直線運動と水平方向の2軸の回転運動の3自由度を制御するような浮上機構を製作した.センサは渦電流式のセンサを用いてこの浮上体の3自由度の運動を測定できるようにした.浮上実験を行い,その浮上に成功した.このときの制御はPD制御を用いた.ゲインは1自由度の浮上機構のモデルから計算したものを用いた.浮上実験の結果本システムは安定範囲が少なく,簡単にタッチダウンすることがわかった. 新しい3自由度の浮上機構を設計し製作した.この装置は,最初の試作機に比べて非常に軽量化されており制御性能の向上が望めるものである.この装置を用いて安定範囲を広くとれるように,浮上状態で常にアクチュエータの動作範囲がその中心になるように制御を行うようにした.これはピエゾ素子の出力する電圧をフィードバックすることにより,実現した.この結果外乱に対するロバスト性が向上した.しかしその違いは顕著ではなく,現在制御方式を検討している. 自走機構に関しては,自走機構を搭載したときの浮上に対する安定性が不十分であるため,現在は浮上制御にできるだけ影響を与えないような装置を考案中である.
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