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1998 年度 実績報告書

ウェーブレット変換を用いた構造物の動特性同定

研究課題

研究課題/領域番号 10650242
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

曽根 彰  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20197015)

キーワード同定 / ウェーブレット変換 / 構造パラメータ / メキシカンハット
研究概要

本研究では,構造物が損傷した場合にその動特性をウェーブレット変換によって同定することを目的にする。特に,ここではパラメトリックなシステム同定,すなわち質量,剛性,減衰のような物理量(構造パラメータ)の変化の様子を捉えるのに,時間-周波数解析の可能なウェーブレット解析を用いた手法を提案し,数値シミュレーションとモデルを用いた実験によりその有効性を明らかにする。本同定手法は,速度応答,加速度応答を計測しなくても変位応答の計測のみで,構造パラメータが算出されるという特徴を持ち,さらにウェーブレット変換は時間情報も得ることができるので時間と共に変化する構造パラメータをも同定できるという利点もある。
本年度は,1質点系モデル,2質点系モデル,5質点系モデル,さらには橋梁をイメージした両端単純支持はりの有限要素モデルを用いて,数値シミュレーションを行い,以下のような成果を得た。
1. 1質点系モデルの結果より,本手法による固有周期は1.2%,減衰比についてはDaubechiesの場合約6%,Mexican hatの場合約0.6%程度の誤差を生じることがわかった。したがって,解析的に微分可能なMexican hatのウェーブレットを用いる方がよい精度であることが得られた。
2. 2質点系モデル,5質点系モデル,さらには橋梁をイメージした両端単純支持はりの有限要素モデルを用いた結果より,系の構造パラメータを良好に同定できることがわかった。
3. 本手法により剛性や減衰低下をも同定できることがわかった。
4. 同定精度は,データのサンプリング時間に依存するので,ウェーブレット変換の欠点を克服するためには適切なサンプリング時間を設定する必要があることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 曽根 彰: "入出力のウェーブレット変換を用いた多自由度系のパラメトリックのシステム同定" 日本建築学会構造系論文集. 512. 61-66 (1998)

  • [文献書誌] 曽根 彰: "ウェーブレット変換による構造物のシステム同定" 第10回日本地震工学シンポジウム論文集. 2. 2455-2460 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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