研究課題/領域番号 |
10650251
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
井上 喜雄 高知工科大学, 工学部, 教授 (50299369)
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研究分担者 |
松久 寛 京都大学, 工学研究科, 教授 (00109034)
河田 耕一 高知工科大学, 工学部, 教授 (90299371)
王 碩玉 高知工科大学, 工学部, 助教授 (90250951)
山本 博司 高知医科大学, 教授 (90035709)
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キーワード | リハビリテーション / 動力学 / ヒューマンダイナミクス / マルチボディシステム / 歩行 / バイオメカニズム / 人間・機械系 / モデリング |
研究概要 |
歩行リハビリテーションを支援し、理学療法士の負担を大幅に軽減することができるインテリジェントな歩行支援器の開発が望まれている。人にやさしい歩行支援器を開発するためには、人間・機械・制御系の動力学的相互作用を把握することが必要となる。本研究では、そのための手法として、マルチボディシステムに対する解析手法を用いることを試みた。 歩行支援器と人間の相互作用は、複雑な現象であるので、まず、より簡単な人間・機器系であるゴルフスイングにおける人間の腕と機器の相互作用のシミュレーションを行った。その結果、ゴルフスイングは、人間と用具の相互作用にかなり影響されること、また、かなり簡単化したモデリングでも、ある程度現象を表現できることがわかった。また、ゴルフクラブを選定する場合のスイングしやすさという感性とのかかわりについての検討にもシミュレーションが有効であることを示した。 次に、歩行リハビリテーションにおけるモデリングを検討した。歩行支援器で最も問題になるのは、患者の安全であり、転倒を未然にふせぐような人にやさしい制御が必要となるため、転倒現象のモデリングを試みた。まず、模擬転倒実験により転倒のパターンを大きく2つに整理した。パターン1は、進行方向での不安定による転倒で、パターン2は、患者の膝が折れ垂直方向にくずれ落ちるタイプである。このような現象に対して、できるだけ簡単化したマルチボディシステムでモデル化して計算した結果、定性的に転倒現象をかなりよく表し得ることがわかった。得られたモデリング手法を用いて、機器のパラメータを変更してシミュレーションを行った結果、人にやさしい転倒防止制御に関する見通しを得た。
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