研究概要 |
16自由度マニピュレータのあいまい行動型制御系の作成については,まずマニピュレータをPUMA型と仮定して動力学情報を用い,直接制御系(つまり,各関節のトルク情報)を獲得する場合をおこなった。しかし,PUMA型の場合,各リンクの特性が根元と先端で極端に異なるため,必ずしも良い収束結果がGAにより得られないことが判明し,次に既にロボットマニピュレータシステムにある直交座標系でのサーボ系が組み込まれているとし,障害物を回避しながら目標位置軌道への行動を取らせるための「軌道生成」をあいまい行動型制御手法で発生させる方法を考察し,良好な結果を得た。また,これらの事実を考慮し,従来法のように運動学のみを用いる,障害物回避を伴う位置軌道制御のための「軌道生成」にも応用したところ,同様に良好な結果が得られた。今後は,このような実際の画像情報を用いないでコンピュータの中だけで得られた「空想イメージ軌道」を事前の知識とし,投影された幾分異なるVRロボット軌道との誤差をアクティブ・ビジョンシステムで計測し,新しい修正適応知識を獲得させる方法を模索してゆく予定である。 23Dアニメーションでは,現段階では上記でうまく得られた軌道データをXAnimateで再現するのみである。次年度は,下記のVR用のビジュアルトラッキングと合わせて,一種のオンライン軌道調整を組み込んだ表示法に改良する。 3ビジュアル・トッラキングのためのカメラサーボシステムは,予定では6自由度にする計画であったが,時間的制限から今回は両眼型の4自由度で設計し,試作まで行った。アクティブ制御については,現在までに運動学に基づく制御系までは完成したが,動力学を考慮した制御系はいまだ進行中である。また,カメラ静止状態での画像情報の取りこみも確認できた。よって,次年度は,カメラ制御と画像取りこみを並行して行えるように仕上げる予定である。
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