研究概要 |
人は緊急時に叫ぶ,物をたたく,手を振るなどの動作を行う.そのうち,叫ぶと物をたたく信号は昨年度に扱った.本年度は手をたたく・言葉を発する,手振りで知らせる,という2系統について検討した. (1) 音・音声による指令 マイクロフォン2個,音声認識ソフト(IBM)を用いて手のたたき音と音声(言葉)の方向をとらえる実験を行った.その結果,斜め上,斜め下から入る音・音声の方向は±5゜とよく認識されたが,0゜および180゜方向は誤差が±15゜で大きかった.自動認識の結果を2次元ロボットへ与え,自動追尾をさせた.方向の判断は相互相関法を用いた.3年間の検討により,たたき音の回数,距離,方向を識別することができた.Wavelet解析が高速であるので,緊急信号はたたき音がよい. (2) 手振り 人は手招き,追い払い,いやいや,ばいばいなどの手振りで意思を伝達する.いやいやとばいばいは100%認識できる.問題は,振りのよく似た手招きと追い払いである.指令に用いるのであるから,誤認識を避けなければならない.そこで,DPマッチング法をモディファイした方法を考案し,認識率を80%に上げることができた.しかし20%は間違う.そこで厳しい判定方法を取ることにより,正しい認識率は60%であるが,誤認識率を4%に押さえることができた.
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