本研究では、高い感度と広いダイナミックレンジを併せ持つ画像入力システムと新しい波長走査干渉法の開発により金型など準鏡面の3次元曲面形状の高精度計測を実現することを目指している。本年度は、広帯域(〜8nm)の波長走査が可能な半導体レーザーを光源としたマイケルソン干渉計においてPZTミラーを用いた位相シフト法を併用することで、測定面上の各位置での波長変化に対する位相変化の勾配を検出する新しい位相検出型波長走査干渉法を確立し、mmオーダの段差を含む形状をサブμmの高さ分解能で計測可能なことを確認した。この精度はより向上可能である。また、ペルチェ素子冷却型CCDカメラおよび通常のCCDカメラにより得られる異なるダイナミックレンジを持つ入力画像を組み合わせることで粗面から準鏡面にわたる広範な性状を含む測定面の計測が実現できることを確認した。現在、両者を融合した計測システムを構築している。
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