研究概要 |
平成10年度は下記に示すような実験を行い,次のような結果および知見を得た.(1)微細案内機構を有するプレパラートの試作:精密加工機を用いてプレパラテトに細胞を誘導する為の数μm〜数十μmの道筋を加工した.同時に細胞を位置決め可能な数十μmから100μm程度の穴をあけたプレパラートおよびシャーレを作製した.プレパラート及びシャーレに微細な加振を与えることにより細胞を位置決め穴へ誘導出来,細胞を整列させることが出来ることを確認した. (2)細胞検索の自動化:シャーレ内に点在する細胞を画像処理装置を用いて探し出すし細胞を整列させるシステムを試作した.倒立顕微鏡に電動XYZステージを取り付け,細胞捕捉用マイクロマニピュレータを設置する.画像処理装置を用いて,選択した細胞のみ,マイクロマニピュレータで捕捉して指定された位置へ搬送する.ただし,本方法は細胞捕捉作業に非常に時間がかかり,迅速な細胞整列を目標とした本課題には適さないことが判明にした. (3)液流(波流)を用いた細胞整列機構:細胞(マウス卵細胞)を培養液で満たされたクリアケースにいれて実験を行う.細胞はたっぷりとした容量の培養液中に点在している.クリアケースをボイスコイルモータを用いて振幅2mm,、4〜6ヘルツで加振する.数秒から十数秒で,培養液中に点在していた細胞は,液流(波流)に乗り,クリアケース中央部へτ列にきれいに位置決めされた.単純な方法ながら非常に迅速に位置決め可能なことが判明した. 今後の予定: (1).液流を用いた細胞整列機構の解析. (2).2軸加振タイプの液流細胞整列機構の試作. (3).細胞誘導機能付きプレパラート及びシャーレの作製.
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