研究概要 |
本研究では、先に開発した位置推定法を用いて新しいIMPモータの駆動システム(3.7kW)を試作し、電流制御の有無がセンサレス駆動特性に与える影響を実験的に明らかにする。また、試作するシステムに最大トルク制御を組み込み、センサレス駆動システムにおいても効率改善ができることを実証する。 本年度の研究では,MATLAB/Simulinkを用いたシミュレーションにより電流制御の有無による制御特性の差違について検討を行った。電流制御のない従来のシステムでは、d軸電圧を0にしてもd軸電流を完全に0にすることはできないこと,電流制御を付加することで電流応答が高速化されるのみならず速度制御および位置制御系の安定化にも有効であることを確認した。さらに,最大トルク制御をセンサレス駆動システムの、シミュレーションに組み込み、従来は必要であったモータ定数の設定あるいはパラメータ変化の補償をすることなく効率改善ができることを確認する予定である。 さらに,新しいIMPモータの駆動システム(3.7kW)の設計・試作も平行して行っている。独自に開発中であるDSPを用いたディジタル制御系においては,高調波電流の検出ハードウェアとPWM信号発生ハードウェアならびにそれらのインターフェース回路のの設計・製作がほぼ終了している。さらに,センサレス位置推定,電流制御系,最大トルク制御などの制御ソフトウェアの開発を行い,実験を開始する予定である。
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