本研究は、強い電力系統との連系運転だけでなく、極めて弱い系統との連系運転に対しても交流母線にインバータ出力を単に接続するだけで、同期信号等を検出することなく連系運転ができる自律分散形太陽光発電システムの開発実用化を目的としている。 このため、1)商用電源との連系運転と2)インバータ出力どうしの連系運転が自由に行える様な制御システムの構築が必要となる。これまでの基礎研究で、直流電圧変動を検出することにより連系用インバータの運転位相を決定する周波数追従制御手法が有効であることが明らかとなっている。 連系運転においては、インバータと系統電圧と位相差が大きく異なった場合、直流電圧変動を検出だけでは運転を継続することができないことから、位相補正回路を付加することが必要となる。 独立運転においては、交流出力電圧一定制御システムで負荷容量が太陽電池出力を上回った場合に太陽電池の非線形特性のため跳躍現象が生じ、出力が極端に低下するのを防ぐことが必要となる。 前者については、PLL回路で用いられている位相差検出法を制御システムに組み入れることにより過渡運転特性が改善できることが確認できたので、平成11年電気学会全国大会で発表予定である。 後者については、インバータの定電圧制御基準に太陽電池の動作電圧が最大出力点より下がらないようなリミッタ回路を付加することで極端な出力低下や出力電圧の波形歪を抑えられることが明らかとなったので、平成11年1月に開催された電気学会半導体電力変換研究会(SPC-99-36)で報告した。 これら制御システムの有効性をシミュレーション解析および実験結果により確認した.
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