本研究で、種々の電力系統の環境下で協調連系運転ができる自律分散形の多機能な太陽光発電制御システムの開発実用化を行ない、下記の成果が得られた。 1.自律分散形の連系制御システムを構成するため、連系運転されるインバータ間での有効電力授受を直流電圧変動で検出し、これに基づきインバータの運転周波数および位相を決める制御手法が有効であることが明らかとなった。 2.また、連系用リアクトル値に逆比例して太陽電池容量に応じた各システムの電力分担が可能であることが明らかとなった。 3.特別な制御システムの変更なく連系運転だけでなく独立運転にも対応出来るためには、連系点電圧のPWM瞬時値制御が有効であることが明らかとなった。 4.同時に、連系運転時において、配電系統の高調波ひずみの低減や、繋がれる負荷の発生ずる高調波を抑えるアクティブフィルタとしての機能も付加できた。 5.独立運転においては、太陽電池出力と負荷のバランスで出力が極端に低下するので、最適動作電圧リミッタ回路が重要であることが明らかとなった。 6.波形制御と直流交流変換を分けた提案のマルチレベルインバータは弱い電力系統との連系運転を行う場合にノイズ低減等に有効であることが明らかとなった。 7.制御システム簡単化と信頼性の観点から、太陽電池の最大出力制御を簡単なハードロジック回路で実現し、実験からも十分機能出来ることが確かめられた。 これら、研究成果は平成10年度からの3年間の研究発表リストで報告した。
|