モータというと一般に多くは回転形のモーターであるが、必要とされる運動は回転動作ばかりではなく、直線的な動作も要求されることも多々ある。そこで、直接、直線的に動作するリニアモータが研究開発されている。しかし、一般的にリニアモータいずれも1つでは、1方向の運動しかできず、平面上のx方向およびy方向の2方向の運動を要求される場合は、2つ以上のモータが必要となる。そこで、平面上の運動を1つのモータで実現するように考案されたものがサーフェイスモータである。このサーフェスモータは、まだ、実現化された例が少なく、少ない例はいずれもx-yの2方向のみの運動であった。 そこで、我々は、平面を自由に運動する新型のサーフェスモータを考案し、原型モデルを試作した。以前提案されたサーフェスモータは、可動子を励磁コイルとしていたため、可動子に電線が接続され運動に制約があった。本研究で提案する方式は、可動子が永久磁石、固定子が励磁コイルである。この方式では可動子に電流を流す必要がないため電線が無く、可動子の運動の制約が無い。そのため、平面を自由に運動でき、x-yの2方向の運動のみならず回転運動も出来る。また、可動子が完全に分離出来るため、密閉された別空間内での動作も可能である。 本研究では、電磁界解析によるモータの最適設計およびシミュレーションによる解析、試作機およびその駆動回路の試作を行い、推力特性の測定を行った。磁極数および磁極配置の推力特性に与える影響を検討し、試作機の実験的検討によりそれぞれの静推力特性等の緒特性について検討を行った。その結果、最適な推力特性の得られる磁極数および磁極配置が求められた。また、駆動方式についてもさらに検討し、吸引力に加え反発力も利用することにより推力の向上を実現し、かつ振動の低減も図った。
|