研究概要 |
1. 自家用受配電設備における開閉保護技術動向の調査: 開閉保護技術分野における技術動向の特徴としては,近年急速に発展した各種センサ技術,通信ネットワーク技術,信号処理技術,コンピュータ技術などの利用によるデータのディジタル化が進展している。ディジタル式装置の製品化により,過電流保護協調設計分野においても,コンピュータを利用した装置選定及び動作特性設定がより容易に行えるようになってきた。 2. 予防(予測)保全システムのニーズとシーズの調査: 電力への依存度が益々高まる中で,突発的停電の防止のために,作業員による日常巡視点検や定期点検を行っている。しかし,専門家不足や膨大なデータ量のため,機器の異常を的確に診断するのは困難な状況にあり,予測保全支援エキスパートシステム開発への期待は高まっている。開発には,センサ技術,光伝送技術などが必須となるが,これら技術の進展は著しく,開発の可能性は大きい。 3. 過電流保護協調設計支援エキスパートシステム(プロトタイプシステム)の開発: 過電流保護協調設計の際に使用されている保護協調・動作協調などの専門的知識を整理し,オブジェクト指向プログラミングツールを用いてコンピュータ上にデータベース化した。また,このツールを用いて,開閉保護装置5箇所,変圧器2台,誘導電動機3台からなる6.6kV高圧受配電系統モデルをデータベース化し,各種条件を満足する保護装置の選定並びに動作特性設定を自動的に行うシミュレーションプログラムを開発した。この結果,過電流保護協調設計問題とオブジェクト指向モデリング技法(フレーム技法)との融合性が確認された。次年度は,この技法を適用し,予測保全支援エキスパートシステムの開発を行う。
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