第1章 まえがき 本研究では大気圧中の均一及び不均一直流電界中で、YAGレーザ(波長=532nm)とCO_2レーザ(10.6μm)プラズマを時間・空間的に相対的な変化において各一個ずつ生成させて、CO_2レーザプラズマ生成後の放電遅れ時間短縮に関する基礎実験によりその機構の解明を行うことを目的とする。 第2章 均一直流電界におけるレーザ誘導放電の研究 大気圧中で直流高電圧を印加した平板対平板電極間に二種類のレーザ生成プラズマを発生させて、レーザ誘導放電遅れ時間短縮について実験及び検討を行った。その際、ストリーマ進展時間は、プラズマ生成後からストリーマ開始に至るまでの時間に比べて無*できる程度であるため、プラズマ挙動に起因する遅れ時間機構を中心に調べた。その結果、(1)室内空気で遅れ時間が最大で5%に減少する、(2)P_<CO2>と重ならないギャップ中での場所において、YAGレーザプラズマの生成がt_dの短縮に対して効果的である、(3)t_d短縮現象はレーザプラズマによる放電種供給量の増加によって電子密度の付着減少分を抑制するため、誘導放電が効率良く起こり易くなる等の結論が得られた。 第3章 不均一直流電界におけるレーザ誘導放電の研究 大気圧中で直流高電圧を印加した棒対平板電極間二種類のレーザ生成プラズマを発生させて、レーザ誘導放電遅れ時間短縮について実験及び検討を行った。その結果、(1)ギャップ中間に生成されたレーザプラズマが存在する場合では、放電開始領域は陰極近傍に存在する、(2)ギャップ中央にP_<CO2>、陰極近傍にYAGレーザプラズマを発生させると、遅れ時間が室内空気では40%に、乾燥空気においては最大で10%に減少する、(3)遅れ時間の短縮効果は、陰極近傍に生成したレーザプラズマによる放電種(電子群)の外部供給に起因しており、放電しきい値の低下とも密接に関係している。
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