研究課題/領域番号 |
10650298
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
下妻 光夫 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70041960)
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研究分担者 |
橋詰 保 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 助教授 (80149898)
伊達 広行 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10197600)
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キーワード | TiN / プラズマCVD / 薄膜生成 / 低周波プラズマ / 低周波プラズマCVD / 拡散バリア材 / 薄膜低温生成 / 集積回路材 |
研究概要 |
電子材料の新素材で窒化チタン(TiN)は、集積回路微細トレンチ内壁へのコーティングによる配線材(A1等)の拡散バリア材として有望視されTiN薄膜の微細構造トレンチ内への均一成膜の研究が盛んになされている。しかし、この膜生成は、スパッターPVD法によることが多く、アスペクト比が大きいトレンチ内への均一堆積は困難で、更にプロセス温度が高いと言う難点もある。本研究では、低周波プラズマCVD法により材料ガスをTiCl_4+N_2+H_2として、シリコン基板上トレンチ(1μm×1μm)内壁に膜生成し、段被覆性の良好なことを明らかにした。これは、TiNの良導電性材料であることと、低周波プラズマの使用によるイオン種の電界追従とに起因するものと考えられる。また、TiN硬質薄膜の3次元基板上への均一膜、かつ高膜質堆積に成功しており、これをJ.V.S.Tへ投稿掲載されている。ここでのTiN硬質薄膜の3次元堆積は、2個のダイオードを使用したDCバイアス回路を開発使用することで可能にしている。このバイアス回路は、企業との共同で特許申請している。これらの研究の発展として、Si基板上に、ガスの分圧比・ガス圧・プラズマ電流、基盤バイアス、更に堆積基板温度などを変数として、TiN膜堆積最適条件を見出しており、特に基板温度500℃程度で十分な加熱効果が得られている。このような低温加熱とイオン射突による基板加熱との相乗効果が良好な結果を得る原因と考えている。また、更にこのTiN膜のXRDによる結晶性観測により、δ-TiNが確認された。この膜内結晶性は、500℃程度の低温で得られた報告がないと考えられる。この他、堆積されたTiN膜の膜質評価を、電気的(導電率・抵抗率)・物性的(膜素成・表面状態・膜厚分布・硬度)について行い、良好な結果を得た。これらをまとめて、J.J.A.P.へ投稿し掲載が決定している。
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