研究課題/領域番号 |
10650304
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
野々村 修一 岐阜大学, 工学部, 教授 (80164721)
|
研究分担者 |
仁田 昌二 岐阜大学, 工学部, 教授 (90021584)
伊藤 貴司 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00223157)
吉田 憲充 岐阜大学, 工学部, 助教授 (70293545)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | 光誘起膨張 / 水素化アモルファスシリコン / 光劣化 / レーザー光てこベンディング法 / アモルファス格子緩和 / 初期応力 / 微結晶シリコン / 線膨張係数 |
研究概要 |
本研究により薄膜の体積変化を高感度(体積変化率2x10^<-7>)に検出できるレーザー光てこベンディング法を確立し、a-Si:H薄膜の光誘起体積膨脹を見いだした。H10年度の成果の再現性を確認するとともに、3日間に渡る光照射時間依存性、劣化光強度依存性を調べ、光誘起欠陥生成と光誘起膨脹の変化とに類似性があること、製膜条件は同じで基板との間に生ずる外部印加初期応力を変えた試料においてもほぼ同程度の光誘起膨脹が観測されることが分かり、a-Si:H薄膜の構造自体が光誘起体積変化の原因であることを明らかにした。また薄膜における線膨脹係数の計測手法を開発し、光劣化中のa-Si:H薄膜の温度上昇が50℃程度であることを見積もり、a-Si:H薄膜にて検出される光誘起膨脹が光による試料固有の構造変化を観測している事を明らかにした。 試料の基板温度、シランガスに対する水素の希釈率r等の作成条件を変えて光誘起膨脹の大きさを調べた。太陽電池に利用されるrが10で最大値10^<-5>程度を取り、rが40程度の微結晶シリコン薄膜では初期応力が非常に大きいにも関わらず光誘起膨張劣化が生ぜず光誘起膨張は2×10^<-7>程度と非常に小さいことが分かった。光劣化抑止のために微結晶化が有効であることを光誘起膨脹の観点から明らかにした。さらに13.56MHzのRF電源を用いて〜6nm/minの成長速度を達成した。またホットワイヤーを用いて水素のみラジカル化し、良質な微結晶シリコン薄膜を作製するホットワイヤーアシストプラズマCVD法を開発した。 また、光吸収による非輻射再結合過程による薄膜の熱膨脹を検出することにより、薄膜の光吸収係数の高感度な測定が可能な光熱ベンディング分光法を開発した。薄膜の吸収端近傍から水素の振動吸収が観測される2000cm^<-1>程度までの広範囲な測定領域を可能にし、光学ギャップエネルギー、欠陥吸収、不純物の同定、水素量の決定を可能にした。
|