研究概要 |
1. 超磁歪材料の製造実験 Tb,Dy,Feの各元素粉末にメカニカルアロイング(MA)法を適用して機械的に合金化し、これをスパークプラズマ焼結装置(SPS)で加圧・焼結する新しい方法により、(Tb,Dy)-Fe系の超磁歪合金を製造することに成功した。ミリング処理では比較的速やかに均一・微細化が進み(〜36ks)、さらに長時間側ではアモルファス化すること、1073K以上で焼結・固化することなどの事象を明らかにし、製造パラメーターとの関係を把握した。 2. 簡易型磁歪測定装置の設計・製作 これら試料の磁歪特性をモデル形状で行うため光学式磁歪測定装置を設計・製作し、装置の作動試験を行った。本測定装置の主要部は直流コイル(3.2φ,1200turns)と磁界測定/交流重畳用コイル、測定空間の冷却機構などから構成されるが、現状では電源容量の関係で励磁磁界は〜100KA/m(500kA/m max.)止り、レーザー光反射方式の採用により試料の伸縮(直線変位)のほか、歪曲変位も測定可能であることを確認した。 3. 超磁歪材料の測定・評価 代表的な超磁歪合金(Tb_<0.3>Dy_<0.7>)Fe_2を中心に組成を変化させ、1.の手段により単体試料を作製し、前記装置による磁歪特性測定により磁歪-磁界曲線の形で性能比較し、SPS圧力/焼結温度などの条件の最適化を行った。さらにSPS装置による直流パルス通電を利用すれば、焼結時の拡散・接合が容易に制御でき、磁歪定数の異なる粉末の同時焼結による2層構造化が可能であること、これら試料には磁界に直交方向の歪曲変位が発生することなどを確認した。
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