研究概要 |
平成10年度は,(1)基本アーキテクチャを確定した後,(2)従来の研究手法の整理,(3)シミュレータプログラムの作成の基礎的な研究を中心に進め,余裕があれば,(4)新手法の考案((5)設計プログラムの作成)にも着手することを目的とした. (1)基本アーキテクチャの確定については概略的な設計と評価を終えた.アーキテクチャは,HPU,MPU,LPUの3種類のプロセッサからなる3階層である.数百から数千個のLPUを数十個のMPUで制御するSIMD構造,MPU,LPU間はMIMD構造とするMSIMD型構造である.主な処理対象は大規模なMPEG動画像圧縮処理と3次元画像生成処理である.チップ内の1つのMPUに接続されるLPU数は16〜25個,MPU数は40〜50個程度のときが最も効率よく処理できることを明らかにした. (2)従来の研究手法の整理については,本や文献を参考にして検討した.内容が(1) チップ製造後の欠陥回避設計,(2) チップ運用後の永久故障に対する再構成可能設計,(3) 故障検査容易な論理設計法,(4) コンカレント誤り検出手法,(5) 誤り回復の容易なアーキテクチャ の広範囲に渡っているため,かなり労力の大きな作業であり,まだ終了していない.引き続いて検討が必要である. (3)シミュレータプログラムの作成は,設計がもう少し細部まで終了しないと手がつけられない.従って,これは次年度の検討項目とする. 余裕があれば,(4)新手法の考案((5)設計プログラムの作成)を検討することであったが,これについては,故障検査容易な論理設計法,誤り回復の容易なアーキテクチャに関係した新手法を考案した(11.研究発表参照).
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