本研究では、高機能でかつ低価格の光デバイスの開発を目的として、キラル性と非線形性を共有する高分子や非相反性キラル高分子の特異な誘電率テンソルを活用したこれまでにない導波路型光デバイスの提案とそれらの設計・試作を試みた。 その結果、 ○キラル高分子のポリ-1-メンチルメタクリレート(PMtMA)と非相反性キラル高分子のポリベンジルメタクリレート(PBzMA)の共重合体をコアとするスラブ型光導波路が構造の簡単な光アイソレー夕となることを理論的・実験的に明らかにした。この成果は論文誌JJAPに掲載された。 ○また、キラル高分子PMtMAと非線形性を付与したポリマーからなるスラブ型光導波路のTMモードの屈折率を外部電界で制御すると、モード変換型の光変調器になることを理論解析し、実験的にもその動作を確認した。その成果はPOF'98国際会議や論文誌Nonlinear Opticsに発表した。 現在、これらの新光デバイスの性能改善としてキラル高分子への非線形色素のドープとその配向処理を行い、高速な電気光学変調動作の可能性を追求すべき実験を進めている。
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