研究概要 |
本研究は,ネットワーク構造がダイナミックに変化するモバイル情報通信システムを実現することを目的とする。ネットワーク構造がダイナミックに変化するモバイル情報通信システムは,移動局のみならず基地局も移動することを許し,移動局も中継機能を有する.つまり,ネットワーク構造を積極的に変化させることができるシステムである. ネットワーク構造がダイナミックに変化するモバイル情報通信システムを実現するための,従来の通信網理論,通信網制御理論の範疇を越えた理論の構築と実際のシステムの構築が本研究の大きな目的である. 平成10年度は,以下のような研究を行った. (1) ネットワーク構造がダイナミックに変化するモバイル情報通信システムのアーキテクチャに関する研究を行い,携帯型計算機と無線LANカードを組合わせた端末からなるネットワーク構造がダイナミックに変化するモバイル情報通信システムの構成を行った. (2) ネットワーク構造がダイナミックに変化するモバイル情報通信システムにおけるネットワーク制御アルゴリズムとしてルーチングアルゴリズムを提案し,このアルゴリズムが端末の移動によるネットワーク構造の変化に追従できることを示した. (3) ネットワーク構造がダイナミックに変化するモバイル情報通信システムにおけるネットワーク制御アルゴリズムとして回線のスケジューリングアルゴリズムを開発し,このアルゴリズムにより回線の有効利用が可能であることを示した.
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