研究課題/領域番号 |
10650371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
生野 浩正 熊本大学, 工学部, 教授 (80040400)
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研究分担者 |
矢田 粲 熊本大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90040435)
中 良弘 熊本大学, 工学部, 助手 (30305007)
西本 昌彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60198520)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | フォトニック結晶 / フォトニックバンドギャップ / 多次元Wave Digital Filter原理 / 時間領域差分法 / 光回路素子 |
研究概要 |
本研究は、2次元フォトニック結晶により構成される光導波路の特性解析を行った。解析法はWave Digital Filter原理に基づく時間領域差分法を用いた。 まずはじめに、光導波路を構成するための2次元フォトニック結晶の特性解析を行った。ここでは、クラッド層を構成するために必要なフォトニック結晶の層数および、結晶の大きさと光の閉じ込めの度合いの関係を解析し、光導波路向きのフォトニック結晶の選択を行った。 次にこれらの結果を用いて、基本的な2次元フォトニック結晶光導波路の特性解析を行った。ここでは、空間波数を求める方法のひとつであるProny法を時間領域差分法により得られた結果に適用することで、フォトニック結晶光導波路中を伝搬するモードを調べ、導波モードの界分布が伝搬方向にフォトニッタ結晶の格子定数の周期で変動することを示した。そして、これらの結果を用いてフォトニック結晶光導波路の分散特性を示した。 次に光回路を構成する基本的な素子である、曲がり導波路、分岐導波路、方向性結合器等をフォトニック結晶により構成し、これらの回路素子の特性評価を行った。まず、直角曲がり導波路の解析を行い、曲げ部にポテンシャル障壁として結晶を配置することで共鳴トンネリングにより曲げ部からの反射波が無くなる帯域が現れることを示した。またこの反射が無くなる周波数帯域が曲げ部に置く結晶の大きさや誘電率に依存して変化することを示した。次に方向性結合器の解析を行い、フォトニック結晶光導波路により構成された方向性結合器も誘電体導波路によるものと同様に、導波層への光の閉じ込めが弱い光波ほど結合長が短くなることを確認した。そしてこの方向性結合器と曲がり導波路を組み合わせた波長分波器を構成し、低挿入損失、高消光比の分波器が構成できることを示した。 これらの結果、フォトニック結晶を用いることで光の波長のオーダの大きさの光回路素子が構成可能であることを示した。
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