研究課題/領域番号 |
10650375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
齋藤 和之 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (60254083)
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研究分担者 |
黒田 研一 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (60285046)
HAMMAMI Ommar 会津大学, コンピュータ理工学部, 助教授 (60254075)
趙 強福 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (90260421)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 進化的アルゴリズム / ニューラルネットワーク / CCEA / FPGA |
研究概要 |
本研究の基礎理論となるのはZhaoが提案した協調型共進化アルゴリズム(CoopCEA)のソサエティモデルである。CoopCEAは進化計算の新しいパラダイムであり、大規模で複雑な問題を解くのに有効であると思われる。我々の最終目的は、ソサエティモデルを完全にハードウエー化し、実システムを進化により瞬時に設計することを狙う。この目標は2年間で達成することは不可能である。なぜならば、まずソサエティモデル自身についてはまだいくつか未解決の問題がある。さらに、既存のハードウエー技術(例えばFPGA)では、ソサエティモデルのような"遺伝的孵化器"をチップ或はボートレベルで実現することはまだ不十分である。従って、本研究では、二つのテーマに絞って検討した。一つ目は、ソサエティモデルを理論的に補完し強化する。二つ目は、簡単化されたソサエティモデルをハードウエー化し、実問題を用いてその有効性を確認する。この二つのテーマは平行に行われた。 一つ目のテーマに関しては、まずプログラムをC言語からC++に変換し、ソサエティモデルのなかに含まれる全てのオブジェクトをソフトコンポーネントで実現した。これらのソフトコンポーネンツを適当に直せば、ハードコンポーネンツで実現することが可能である。そして、ソサエティモデルの中心問題であるモジュールの評価基準について検討し、多数のデータと結果を得た。これらのデータと結果からは、CoopCEAをどう有効に使えるかについて、一般的な指針はまだ導出できないが、問題を明白にし、将来の研究方向を決めるために非常に重要である。次に、ソサエティモデルを有効に利用するために、システムの分割方法について検討した。一般的に言うと、ソサエティモデルでは進化しているモジュールを進化している構造でシステムを構築するので、事前にシステムを分割する必要はない。しかし、進化する前にシステムを適切に分割すると、進化の加速ができる。このために、判別木の進化、最近傍ニューラルネットワークの進化などについて検討した。これらの研究を通していくつか重要な手がかりを得ているが、具体的な結果は別の機会を利用して報告する。 二番目のテーマに関して、FPGAボート(Altera Flex10K100)で最近傍ニューラルネットワークを実現し、それをPCIバスを通してホストコンピュータと接続することによりニューラルネットワークの進化を図った。全ての進化操作はホストで行い、評価部だけはボートで行う。パターン認識、ロボット制御のような応用分野では、評価にかかる時間は多くて、進化のボトルテックとなっている。このような場合、評価部のハードウエー化だけても、進化の高速化ができる。また、この回路を少し改善すれば、CoopCEAの簡単化された共進化を実現することができる.これは回路の動作の確認と共に、次のステップで検討したい。
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