本研究の解像度階調変換技術の基本は、中間調(灰色)を画素面積あたりの黒(0)と白(1)の面積の割合で表現する面積階調法に従って、画素内にある複数の面積要素のon/offを制御することであり、いわば、2値セルの集合で多値化プロセスを空間的に行うことである。そして、画素内のセル数を可変にすることによって、面積要素数の総計が一定という条件下で解像度と階調(濃度階調と面積階調)を制御することである。 平成10年度では、階層型CNNのアリゴリズムの評価と濃度階調画像の評価検討を行なった。すなわち、画素内の多値量子化を行なう局所的ダイナミクスと画素近傍間の画像処理を行なう大局的ダイナミクスによる解像度階調変換の理論を一種の正則化理論として展開し、大規模なカラー画像を用いて、CNNダイナミクスのアルゴリズムを主要設備によるシミュレーションで検証した。局所的ダイナミクスは、多値量子化関数を2値化関数の組合せで構成する回路方式であると考えてもよく、この場合、深さ方向の中間調を汎用ディスプレーに表示すれば、等価な面積和を持つ中間調画像は、すべて等価な画像となるので、主要設備によるシミュレーションで検証できた。
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