本年度は以下の研究を行った。 1. スライディング相関器の設計製作 スライディング相関器の設計を行ない、製作にかかるべく準備にかかったが、本年度は製作を完了できなかった。これは、プリント基板設計用CADを導入しなかったため、自前のツールを用いて行なったが使用するICの細かさにうまく対応できず困難を究めたためである。今後は新しいCADツールを手に入れ、早急に基板製作を完了し、測定装置を完成させる予定である。 2. 屋内ディジタル伝送誤り率シミュレーション これまで行なってきたPSK-RZとActive Fadingを組合せた屋内無線LAN高速伝送システムを例に伝送シミュレーションの基本的な方法を改め、短時間により多くののシミュレーションを実行できるように工夫を行なった。これは、伝搬路のインパルス応答と伝送波形をあらかじめ畳み込んでおくことにより、受信信号の発生を大幅に高速化できることが明らかになったからである。これにより従来の数倍の効果を得ることができ、更なるシミュレーションの実行が可能になった。
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