ネットワークを介しての「コンピュータと全盲者」、「全盲者と晴眼者」、「全盲者と全盲者」との相互コミュニケーションを可能とする視覚障害補償システムについて研究した。主にマウスに代わるポインティングデバイス、合成音声による情報呈示、触図、触知立体を複合利用した視覚障害補償インターフェースの開発を行った。これはパソコン画面位置のポインティングにテーブル型指先タッチパネルを採用し、その上に用途に応じた触図を随時載せることにより指先や掌を使って触知と入力指示操作が併行して行えるインターフェースおよび音声出力を併用したシステムである。具体的な成果としては以下の三点である。 1.インターネット環境下でWindowsパソコンのマルチメディア機能とインターネット通信を利用する事によって盲人ての相互コミュニケーションおよび遠隔サポートのためのシステムを構築し実験を行った。 ここでの関連研究開発項目は以下の通りである。 ・コミュニケーション用ビデオカメラの遠隔制御プログラム作成と実験 ・コミュニケーション用ビデオカメラからのインターネット経由相互画像伝送プログラム作成 ・インターネット通信手順に基づく動画像、静止画像、音声データの相互通信システムの作成 2.NomadタッチパネルのWindws95/98用デバイスドライバの開発と応用プログラムの制作を行った。応用プログラムとしては、遠隔対戦型盲人連珠、神経衰弱ゲーム、コマンドランチャなどを開発した。 ここでの関連研究開発項目は以下の通りである。 ・盲人用盤ゲームの観察と操作上の特性の調査と仕様への反映 ・ポインティング用タッチパネルのGUI環境下での制御技術とActiveXコンポーネントの開発 3.従来の触図に対して新たな「聴図」の概念を創出し、指先感覚と聴覚の協調による図形画像の把握のための学習実験システムを構築した。これはWindows95などのGUI画面に表示された図形や画像の形と色をノンバーバルサウンドの組み合わせで把握できるようにするものである。ここでの関連研究開発項目は以下の通りである。 ・リアルタイム音響システムのためのMicrosoft DirectSoundクラスライブラリの調査と組み込み開発
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