研究概要 |
電荷転送用キャパシタ2個を用いて,商用電源100V/60Hzから50Vの直流電圧を80%以上の高い電力変換効率で得ることができた.これにより基本的な動作の確認とシミュレーション通りの特性が得られたので,電荷転送用キャパシタを2個から10個程度に増やし,l00V/60Hzから5V〜10Vの直流低電圧を一挙に得る回路を試作する目処が付いた.一方,クロック発生回路については,今回のようにアナログ回路で設計すると回路が非常に煩雑となり,雑音等により誤動作を引き起こしやすいということがわかった. 今後の計画として,電荷転送用キャパシタを10個用いた回路を試作し,諸特性を明らかにする予定である.電荷転送用キャパシタが増加した場合,回路が非常に複雑化するので,プリント基板加工システムを用いる.即ち,パソコンのCADにより回路図からプリント基板のパターンを設計し,プリント基板加工システム(クィックサーキット)によって基板の穴あけと配線を自動加工する.これによって電源部とMOSFETドライバ回路部の試作が容易に行えるようになる.次に,クロック発生回路については,回路を簡単に作成でき,しかもプログラマブルにクロックを変えられるようにするため,FPGAを用いる.クロックをプログラマブルに変えることによって,無調整で世界中の電源電圧に対応できるACアダプタが開発できる.
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