研究概要 |
本研究は、生体信号処理の研究において実際の生物を用いて実験を行い、生物における信号処理の仕組みを解明することを試み、これに基づいた新しい信号処理法について研究を行う。1998年度は以下の研究を行った。 1. 弱電気魚の研究 弱電気魚の1つであるEigenmanniaは尾部から交流電場を発生して、それを体表面のセンサーで受け、水中にある物体のロケーションや固体間のコミュニケーションをおこなう、いわゆる無線を使う魚である。振幅変調と位相変調のコンビネーションのパターンによって他の電気魚の周波数の違いを探知し、キャリア周波数の混信を回避することが知られている。本研究を通して、この混信回避行動は振幅変調による効果をより強く受けること、極端には振幅変調のみでも、周波数を変える行動が起きることがわかった。この研究結果はIntemationalCongress of Neuroethology (神経行動学国際学会)にて発表した。 2. 通信信号処理の研究 無線通信方式の研究においては高多重化,周波数帯域の不足により、新しい信号処理法の研究が求められている。広い帯域を各チャネルが重複して使用する符号分割多重化方式(CDMA)の研究について、電子情報通信学会誌に及びハンガリー通信学会に論文を発表した。
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