研究課題/領域番号 |
10650412
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
円福 敬二 九州大学, 大学院システム情報科学研究科, 助教授 (20150493)
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研究分担者 |
笹田 一郎 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20117120)
木須 隆暢 九州大学, 大学院システム情報科学研究科, 助教授 (00221911)
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キーワード | 高温超伝導 / SQUID / 磁気センサ / ジョセフソン接合 / バイクリスタル基板 / yf雑音 / トンネル効果 |
研究概要 |
本研究は高温超伝導SQUIDを用いた液体窒素温度(T=77K)で動作する高感度磁気センサを開発するとともに、これを用いた生体磁気計測システムを試作することを目的としている。本年度は高温超伝導SQUID磁気センサの高性能化を達成するために以下の課題を解決した。(1)まず、傾角30度のバイクリスタル基板を用いた高性能なジョセフソン接合の作製技術を確立した。この作製法によりR=10Ω程度の高抵抗接合を再現性良く作製することが可能となり、SQUIDの性能を大きく改善することが出来た。(2)また、ジョセフソン接合における電流輸送の機構を定量的に明らかにした。この結果により接合パラメータ(臨界電流と抵抗)の関係や接合の雑音特性を明らかにした。この結果を用いることにより高品質な接合の設計が可能となった。(3)次に、作製したSQUIDセンサの基本性能(磁束一電圧変換効率と磁束ノイズ)の評価を行った。測定結果は設計値と定量的に一致しており、設計の妥当性及び作製プロセスの高さを実証した。ただし雑音特性については若干の相違が見られ改善の余地を残している。(4)さらに、磁気センサ用の磁界検出コイルの最適設計を行った。検出コイルからSQUIDループへの磁束の伝達効率が最大となるような設計法を示し、その有効性を実験により確認した。(5)最後に、SQUIDと検出コイルを直接結合した磁気センサを作製し、6mm角の小さな検出コイルにおいても磁界の分解能としてB_n<100fT/Hz^<1/2>が得られることを示した。これらの結果より液体窒素温度で動作する高感度磁気センサの開発が可能となった。今後はこの成果を基にシステム化を進めていく予定である。
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