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1998 年度 実績報告書

半導体薄膜を用いた環境計測センサの開発

研究課題

研究課題/領域番号 10650415
研究機関東京電機大学

研究代表者

原 和裕  東京電機大学, 工学部, 教授 (80112879)

キーワード環境計測センサ / 花粉センサ / 薄膜ガスセンサ / 酸化第二鉄 / 酸化第二錫
研究概要

本研究は、エンジンや燃焼機器等から排出され、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)やアレルギー等の健康被害の原因となる花粉、ダニ、黴の胞子、細菌等の広範囲の環境汚染物質の濃度や浮遊量を計測する小型・集積化・高機能センサを、金属酸化物からなる多層半導体薄膜を検知材料とし、IC技術とマイクロマシーニング技術を用いて、実現できることを明らかにしようとするものである。
本年度は下記のように、環境計測用センサのプロトタイブの開発と基本的な特性測定を行った。センサを作成する基板としては、集積化に適するSi基板を利用した。電力消費を減少するために、マイクロマシーニング技術を用いてSi基板を加工し、SiO_2膜を用いたダイヤフラム構造とした。その上に、センサ材料の剥離を防止し結晶性を向上させるためのAl_2O_2膜をバッファ層として付けた。さらにその上に、センサ膜第一層としてクラックや剥離が生じにくく安定性と耐久性に優れたFe,O.系薄膜をスパッタリング法により付けた。続いてセンサ膜第二層として、高感度なSnO_2系薄膜を付けた。最後に電極として、Pt系薄膜を付けた。微細なパターンを形成するために、IC作製に用いられるホトリソグラフィー技術とリフトオフ技術を用いた。
センサの製作後、各種の環境汚染物質(NO_x.SO_x、花粉、黴、皮膚の破片等)を導入し、これらに対するセンサのコンダクタンスの時間的な変化を動作温度の関数として観測した。その結果、本センサは、250℃においてNO_xに対して感度を示し、また、400℃において、花粉、黴、皮膚の破片のいずれに対してもパルス的な応答を示した。これらのことから、本センサは環境計測用センサとして使用できる可能性を有することが明らかになった。今後は検出対象を広げながら、さらにセンサ特性を改善していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 垣沼克好: "環境計測用マイクロセンサの研究" 電気学会研究会資料. CS-98-64. 93-96 (1998)

  • [文献書誌] 垣沼克好: "環境計測用マイクロセンサの研究" 電子情報通信学会技術研究報告. 98・154. 53-58 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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