研究課題/領域番号 |
10650417
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
長谷川 賢一 法政大学, 工学部, 教授 (40010798)
|
研究分担者 |
前田 邦子 理化学研究所, 加速器基盤研究部, 先任研究員 (60087476)
浜中 広見 法政大学, 工学部, 教授 (10061235)
|
キーワード | PIXE / X線結晶分光 / PSPC / 微量分析 / 位置敏感検出器 |
研究概要 |
従来の結晶分光PIXEで使用しているシングルアノードPSPC(Position-Sensitive Proportional Counter)を小型化し、これを積層し、大面積の検出器を作った。前年度には7本のアノードを持つマルチアノード方式のPSPCを製作したが、斜め入射による検出効率の低下や収差による分解能の低下、一様性の悪化などが問題になっていた。これに対して、小型PSPC積層方式では、特性のそろったPSPCを選び、さらに、傾斜させて配置できるので、全体として、検出感度および一様性が向上できる。収差の問題があり、5個のPSPCを積層した検出器を製作したが、これを3組用いると15倍の検出感度が得られる。アノードには7本アノードPSPCと同様に4kΩ/cmのカーボンファイバを用いているが、より製作の容易なカソード抵抗線方式のPSPCの試作も行っている。 化学状態の微量分析用システムの開発実験も行った。これは、Kαスペクトルの微小シフトを利用するもので、検出系に高安定度が要求される。シングルアノードPSPCによる実験を基礎にして、マルチアノードPSPCに適用するための回路、Vbによるソフトの製作を行った。また、試料の高速マッピング測定用の信号処理回路の製作も完了し、現在、データ処理ソフトの製作を行っている。 マルチアノードPSPCの研究成果は国際学会で発表され、また、Intern.J.of PIXEに掲載された。
|