研究概要 |
現在ロボットに使用されている力センサは主として歪みゲージ式である.このセンサは,ストレインアンプや環境ノイズ除去用フィルタを要することが多く,帯域幅が制限されやすい.これらの欠点のない水晶振動子による周波数出力の力センサを開発するため,1998年度は 1.水晶振動子が機械的強度面でロボットセンサとして使用可能であることを明らかにした. 2.水晶振動子が少なくとも2kHz程度までの振動外力に応答できることを明らかにした. 3.水晶振動子により,滑り特有のステックスリップを検出した. 4.水晶振動子による3成分把持力把持位置センサを試作し,その諸特性を調べた. これらについて,第37回SICE学術講演会,計測自動制御学会論文集35-6に発表した,本年度は, 1.昨年度作製した3成分把持力把持位置センサを改良して平面内でのあらゆる方向の外力に対して測定可能なセンサを開発した. 2.改良したセンサを用いて,対象認識を行い所望の結果を得た. 3.水晶振動子により,滑りのみならずその方向の検出にも成功した. これらについては,IMEKO-XV World Congress,第38回SICE学術講演会,電気学会論文誌E120-3に発表した.データ処理や論文作成は科学研究費補助金により購入したパーソナルコンピュータで行い,論文作成過程での英文校閲や実験補助も科学研究費補助金により実施した.また,科学研究費補助金から,成果発表のための旅費,資料代,講演会参加費,消耗品費を支出した.
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