研究概要 |
1. 1/f^ν(0<ν<2)の周波数スペクトルを持つゆらぎの複雑さの測度の導入 自己相関関数を用いたshort-time information entropyを提案した。これは、時系列上に機能的な長さの単位,いわば相関をもって連なった信号系列としてのsentenceを定義し、そのsentenceの多様度を定めるものである。白色乱数のν/2階積分、および間欠性カオス力学系により発生させた様々なスペクトルのゆらぎ時系列を用いた計算機実験の結果,1/fゆらぎの場合に提案した測度が最大になることを明らかにした。(M.Agu et al.,JJAP,vol.37,no.11B,pp.L1415-L1417,1998) 2. 1/fゆらぎの時間反転非対称性 時系列解析から1/fゆらぎを発生する系を分類する指標を提案するとともに、計算機を用いて作成した様々な1/fゆらぎにこれを適用してその有効性を示した。(H.Akabane et al.,JJAP,vol.37,no.7A,pp.L830-L832,1998) 3. 1/fゆらぎのフラクタル性 相関積分を用いたフラクタル解析により1/fゆらぎを発生する系の分類が可能であることを計算機シミュレーションおよび実験データに適用して示した。(H.Akabane et al.,JJAP,掲載予定) 4. 新らしい1/fゆらぎ時系列の発生方法 確率的に動作する一次元オートマトンを用いることにより,広範囲な周波数において正確な1/fゆらぎが発生可能であることを理論解析および計算機実験により明らかにした.それらの結果に基づき,l/fゆらぎ時系列を発生するディジタル回路を提案し、実験の結果,3桁以上の周波数帯域におけるl/fゆらぎが得られることを述べ,その有効性を示した。(M.Yamada et al.,IEICE Trans.Fundamentals,vol.E81-A,no.7,pp.1512-1520,1998)
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