本研究は、解析的には取り扱うことが困難である、非線形多次元かつ動的な系に対して、ニューラルネットを用いた制御システムがどの程度有効であるかを検証することを目的として進行している。 動的な非線形多次元系のモデルとして、現在までに2関節の鉄棒ロボットとその制御システムの作製が完了した。そして、鉄棒運動を実現するためにニューラルネットワークとしてはどのような要素が必要であるかを検討するため、まずは、ルールベースによる連続大車輪運動の実現を試み、それに成功した。 ルールベースによる大車輪運動の制御を試みた結果、鉄棒運動のように周期的な振る舞いを行う系の制御に用いるニューラルネットワークとしては、リカレント型のものを用い、そのリカレントネットワークの発振現象を利用することが有効であるという判断に達した。そこで、リカレント型のニューラルネットワークの研究として、岡部が提案している、生体への刺激の入出力に関する仮定をもとにしたモデレーティズムの理論に期待をもち、現在では、その理論を整理し、その理論の有効性を検討している。
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